「国立霞ヶ丘競技場」(2013年9月27日 金曜日)
おはようございます。
今回は趣向を変え、オペラ・バレエの四方山話はお休みです。
先日、2020年の夏季オリンピック開催地に東京が選ばれました。
少し前までは大して興味もなかったのに、実際決まってみると本当に嬉しく、
発表の瞬間は、テレビの前で思わずガッツポーズ。
それに伴い、1964年の東京大会でも開会式が行われた国立霞ヶ丘競技場が
本格的に改築に入ることとなっているのを、皆様、ご存知でしょうか?
2011年に公告された日本スポーツ振興センターの計画によりますと、
現在の競技場の解体工事から新しい国立競技場の竣工まで、約5年を要するということです。
2020年開催の五輪はもちろんのこと、一足早い2019年に日本での開催が予定されている
ラグビーワールドカップも新競技場が戦いの舞台になるということから、
2019年3月の完成を目指して、いよいよ来年の夏から本格工事に入ることとなっているのだそうです。
国立競技場では「ラスト・ラン」と称するマラソン大会など、各種イベントが予定されていますが、
そんな中、私は先日、某グループが行った現国立競技場での最後のコンサートに参戦してまいりました。
国立競技場では天然芝の保護のため、2005年以降は年間を通してたった1組のみが
競技場でコンサートを行うことを許可されているのですが、
そのコンサート開催も、とうとうこの夏に行われたものが最後となりました。
収容人数が7万人。
ある年は巨大なスタジアムの最後列でした。大きなお鉢(スタジアム)の縁の端っこ辺りで、こぼれ落ちそうになりながら(嘘です)
豆粒大のちっちゃな人たちを見ながらのコンサート。
開演がちょうど日暮れ時になるので、そんな雰囲気に良く合う音楽を聴きながら(ナイス選曲!)、遠くのビル群が夕焼けで少しずつ赤く染まっていく風景を見るのは何とも贅沢。
大量の花火がこれでもかというくらいに打ちあがるのをワクワクしながら見上げ、
放たれる何万個もの風船が空に舞い上がって、風に流されてどこかに消えてなくなるまで目で追いかけたり、
またある年は土砂降りの中、激しい雨に打たれて寒さに震えたり、、、、
野外ならではの演出を存分に楽しむことが出来ました。
しかし、今年、最も「国立」らしかったのはやはり聖火台を使った演出でした。
「2020 TOKYO」というメッセージが5つの輪と共に巨大なスクリーン映し出されると、
前方のステージから大きく火柱が上がって、花道へと続き、炎が真っ直ぐ聖火台へと駆け上がりました。
最後に聖火台から力強く火があがった瞬間、いよいよ東京オリンピックが開催されるのだという実感と共に、
毎夏の恒例行事になりつつあった、現競技場で過ごすこの楽しい時間も、今日が最後だという寂しさも沸きあがってきました。
新しい競技場は収容人数が8万人。
全天候型となるため、嵐でずぶぬれになることも、もしかしたらもう無いのかもしれません。
今の聖火台は何らかの形で保存されると信じていますが、新競技場への移設を希望する声も数多く上がっているようです。
これから、2020年までの7年間、変わっていくのは国立競技場だけではありません。
恐らく、街中の至る所が少しずつ変化していくのではないでしょうか?
私にとっては初めての地元オリンピックですから、今から本当にワクワクしています。
少しの変化も目にしっかり焼き付けたり、体感していきたいと思っています。
お疲れ様、現国立競技場。
2019年の新競技場の完成、そして2020年、新しく生まれ変わった国立競技場で行われる五輪開会式、
どんな演出になるのか今から楽しみにしたいと思います。
「日曜日」(2013年9月6日 金曜日)
おはようございます。
前回、「テンションの上がる曲」の中で、オペラ「ドン・カルロ」の有名な二重唱をご紹介させて頂きました。
さて、この「ドン・カルロ」はヴェルディの最高傑作とも言われている作品で、全編を通して、音楽がどれも素晴らしく、
「椿姫(ラ・トラヴィアータ)」や「アイーダ」ほど上演回数は多くないものの、
大当たりのキャスト陣で観たときの感動は凄まじく、高揚したり、ヨヨヨ、、、と泣いたり、やるせない思いに溜息したり、と大忙し。
しかし、そうでない場合は、記憶にすら残らないどころか、記憶から無理矢理抹消させてしまうほど、
出来、不出来が極端な、難しい作品でもあります。
それぞれに高度な歌唱も要求されますが、キャスト陣を揃えることも大変困難とされており、
私が記憶する限り、日本で上演される舞台は殆どが海外オペラハウスによる来日公演で、回数も少なく、
よって、チケットは目玉が飛び出るくらいの価格となります。
あらすじはやや重たいのですが、男性陣、特にバス、バリトンの低音部隊の歌唱の見せどころが多く、
そういったところが元気の出る音楽(曲によってですが)になりうる要因なのかもしれません。
もちろん、女性陣が歌うパートも大変難しく、聴きどころが沢山あります。
さて、何を書きたかったかといいますと、
その「ドン・カルロ」全幕が今週日曜日の深夜にテレビで放映されることになっております。
オーストリアのザルツブルグで毎夏に開催されるザルツブルグ音楽祭で、
今年上演された演目のひとつが「ドン・カルロ」だったのですが、
さすがのザルツブルグ音楽祭、なかなかのキャストを揃えてきています。
特に男性陣は、実力と人気を兼ね備えている上にハンサム、という陣容できているものですから
これは何としてでも観なければ!!と、今から既に鼻息が荒くなっております。
番組表を見て、キャストを知った瞬間から、私の小鼻は最大限に膨らみっぱなしです。
日曜日は、午後からオペラ「椿姫」の鑑賞に行く予定なのですが、
私の脳ミソのキャパシティーの都合上、同日鑑賞の2作品両方を記憶に留めることは難しいので、
どちらかに軍配が上がることになるのでしょう。
両作品とも、オペラ界の巨匠ヴェルディが生み出した、有名且つ大人気の作品。
生の舞台@新国立劇場の「椿姫」か、
中継録画だけれど、憧れの聖地ザルツブルグでの「ドン・カルロ」なのか、
現役ソプラノ歌手の中で私が最も敬愛してやまないマリエッラ・デヴィーアが出演する「椿姫」か、
超一流のキャストを揃え、ハンサム勢揃いの「ドン・カルロ」なのか、
、、、、、一人静かに臨戦態勢に入っております。結果は如何に!?
「テンションをあげるために、、、!」(2013年8月16日 金曜日)
冒頭からいきなりですが、会社に向かう足取りが重たい日ってありませんか?
疲れが溜まってきている時もそうですし、仕事が思うように進まなかったり、心配事がある時などは、
足取りの重さもさることながら、気持ちがドヨーン、としてしまいます。
それでも、なんとか無理矢理にでも気持ちを上げていくために、音楽の力を借りることがあります。
最近、私は会社に向かう時、テンションをあげるために聴く曲、というのを集めてプレイリストを作っているのですが、
本日はその中からいくつかをご紹介させていただこうと思います。
まず、ヴェルディのオペラ「マクベス」より「Dove Siam?」(邦題不明)。
スコットランド将軍マクダフと、マクベスに殺されたダンカン前国王の遺児マルコムが、マクベスを倒すべく、イングランドの応援軍や亡命者たちと共に荒野で歌い上げます。
テノール2人が勇ましく歌う中に合唱が加わり、オケがそれを盛り上げ、元気の出る滋養強壮剤的な1曲です。
次に、これも同じくヴェルディのオペラ「ドン・カルロ」より「我等の魂に友情と希望を」。
カルロと親友ロドリーゴが、スペインの圧政に苦しむフランドルの民を開放しようと立ち上り、
戦いへの決意と友情を誓い合う場面で朗々と歌い上げられる、テノールとバリトンによる有名な二重唱で、生の舞台で観ると(聴くと)鳥肌ものです。
オペラ本編は、その後に涙が止まらない悲しい場面が待ち受けているのですが、それはさておき。
朝、仕事に向けての一歩を踏み出すにあたり、モチベーションを上げるにはうってつけの曲であることに間違いありません。
この曲はサッカー日本代表の応援曲でも使われていましたので、聴けばきっと「あぁ、知ってる!」となるのではないでしょうか?
「アイーダトランペット」と呼ばれる、式典用の長いトランペットのファンファーレから始まるこの曲は、応援曲に選ばれただけあって、テンションのあがる1曲です。
ただ、私が持っている盤の録音は、全幕オペラのライブ盤で演奏がひどい!象徴的なアイーダトランペットが、ところどころで「ヘプ~」という音を出して脱力させてくれます。
録音のいい盤を探しているところですので、お奨めがあれば是非教えてください。
まだまだ他にも沢山あるのですが、この3曲は特に頻繁に聴いています。
とにかくテンションが上がって元気になるのです。
そういえば、最初の2つがこれからの戦いに向けて歌われる曲、最後の1つが勝利の凱旋を祝う場面で演奏される曲、と3曲とも戦いに関連していることに気付きました。
戦い、、、昔、ジャパニーズ・ビジネスマンに向けて歌われた曲「♪24時間戦えますか~♪」なんてのもありましたね。
さて、そうは言っても、毎朝テンションが低いわけではないので、爽やかな気分の時は、ロッシーニのオペラ「セビリアの理髪師」から「今の歌声は」などを聴き、
ビゼーの「真珠とりの歌」、ミンクスの「ドン・キホーテ組曲」、他にもチレアやカタラーニを聴いて幸せな気持ちになったり、
クリスマスが近づくと、「くるみ割り人形」から「花のワルツ」、オペラ「ラ・ボエーム」から「冷たい手を」、「私が街を歩くと」他、クリスマスを感じる曲に変えたりもします。
その時の気分や、季節に合わせて音楽を選び、プレイリストを作っていく過程もまた楽しいものです。
ちなみに、週末を目前に控えた今朝は元気いっぱいでしたので、更なる元気注入曲として、嵐の「感謝カンゲキ雨嵐」を聴いて、
明るく軽く「SO SO イイことなんてなーい♪ ・・・・・ 毎日FOOL♪墓穴をFALL♪」と口ずさみながらオフィスのドアを開けました。
皆様もお奨めの曲があれば、是非教えていただければ、と思います。
本日も良い1日をお過ごしください。
「"観る"バレエと"する"バレエ」(2013年6月28日 金曜日)
これまでに2度、オペラの話を書いてみましたが、僅か9年のオペラ鑑賞歴に比して、
実はバレエ鑑賞歴の方がずっと長く、観るのも、実際に踊るのも大好きです。
さて、そんなオペラ・バレエ好きの私、先週末に『ジゼル』というバレエを鑑賞しに行ってまいりました。
どのようなあらすじかと申しますと、
病弱なジゼルという村娘が、身分を隠した隣国領主の息子アルブレヒトに見初められ、恋に落ちます。
でも、なんと!実はこのアルブレヒト、ジゼルの村の領主のお嬢様の婚約者だったのです。
真実を知ったジゼルは傷心のあまり錯乱し、ついには死に至ってしまいます。
結婚を目前に亡くなった乙女たちは、ウィリという、森の精霊になるのですが、ジゼルもその仲間に迎え入れられます。
ちなみに、森の精霊ウィリといってもかわいいものではなく、通りかかる男達を踊り狂わせて、死に至らしめるという恐ろしい存在なのです。
そんなある日、ジゼルを失った傷心のアルブレヒトが、ジゼルの墓を訪れます。
ジゼルは、彼の命を奪おうとする他のウィリたちから、彼を庇い、守るために必死に立ち向かうのでした。
やがて夜明けの鐘が鳴り、ウィリ達はいなくなり、ジゼルもアルブレヒトに最後の別れを告げるかのように、静かに消えていきます。
そして舞台の上には、自分のしたことを悔いるアルブレヒトだけが、ジゼルのお墓の前に残される、、、、
と、ざっくりこんな感じです。
その日はカーテンコールが終わって場内の照明がついても、殆どの観客が席から離れず、
拍手とブラボーがぱらぱら続き、再び大きくなり、終いにはまたカーテンが開くほど、素晴らしい舞台でした。
自宅に戻ってからも感動がおさまらず、なかなか現実に戻れません。
音楽をかけて聴いているうちに身体がうずうずしてきたので、家でなんちゃってレッスンを始め、ジゼルになりきってみました。
なりきって、ふと鏡の中の自分を見ると、そこにはジゼルとはかけ離れたへなちょこな踊りっぷりの私の姿。
重力を感じさせなかった舞台上のジゼルとは違い、地球上の重力を思いっきり受けて踊っている私。
、、、、、お陰様で、あっという間に現実に戻ることが出来ました。
「観る」バレエと「する」バレエの差に毎回落込みつつ、それでもまた元気に、鑑賞に足を運ぶ私です。
本日も宜しくお願い致します。
「ブラボー!」(2013年5月31日 金曜日のコラム)
オペラで素晴らしいアリアが歌われた時などに、観客から投げられる賞賛が「ブラーヴォ / ブラボー (Bravo)」。
女性には「ブラーヴァ (Brava)」、複数の人々に対しては「ブラーヴィ (Bravi)」という声が掛けられます。
オペラ限定ではなく、クラシックのコンサートやバレエなどでもよくこの「Bravo! Brava! Bravi!」」を耳にします。
私も叫んでみたいのですが、これがなかなか言えない。
使い分けなんてとてもじゃないので、せめてスタンダードな「ブラボー」。まずはここから、と思っているのですが、スタンダードな「ブラボー」ですら言えない。
一度でも言えたら、その後は躊躇なく言えるのではないかと信じており、とにかく、いつか、いつの日にか叫んでみたいと思っています。
感動で気持ちが高揚した時などは、本当にもう口の中は喉の奥まで「ブラボー」で一杯なのに、、、、、あぁ、叫びたい!この感動を伝えたい!と思いながら、やっぱり未だにどうしてもこれが言えないのです。
こう見えても、意外と小心者なので、せっかく振り絞った勇気がいつもそのまま小さく消えていってしまいます。
うーん、一体いつになったら叫べる日が来るのでしょうか?
いつしか心のなかで「ブラボー」と小さく叫ぶことが習慣化しつつあり、TVでドキュメンタリーを見て感動しては、心の中で「ブラボー」。
スポーツクラブで汗を流して頑張った私にガッツポーズ入りで「ブラボー!」。
会社に向かうために家を出たらいいお天気、、、「やった、ブラボー!」
電車で席を譲っている人を見ると、心の中で「ブラボー!」。
今朝、すれ違った時にいい笑顔をしていた皆さん、私は心の中で叫んでいます。
「ブラボー!」
今日も素敵な笑顔で、良い1日をお過ごし下さい。
本日も宜しくお願い致します。
「仕事への原動力」(2013年5月24日 金曜日)
数年ほど前まで、海外旅行に行った際、時間と機会があればオペラの鑑賞をしていました。
下調べもせず知識もないままに鑑賞するオペラは、これほど退屈なものはなく、時差ぼけと退屈さとで毎回のように眠りこけてしまっていました。
ところが、2007年、オペラ鑑賞を趣味とする(趣味の域を超えている)友人の勧めで、1ヶ月以上しっかりみっちり勉強をして臨んだオペラ「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」鑑賞は、今までに味わったことがないほどの感動で、指揮、オーケストラ、歌手の生み出す見えないパワーに、自然と溢れてくる涙をこらえられず、終演後だけでなく、その後何日も感動の余韻に浸ることとなりました。
そして、その後、たて続けに「ラ・ボエーム」、「トリスタンとイゾルデ」などに足を運び、そこから私の怒涛のオペラ鑑賞生活がスタートしました。
当時は、海外の有名なオペラハウスが頻繁に来日公演を行っていた時期でもあり、素晴らしいプロダクションが目白押しで、鑑賞をスタートするタイミングとしてはとても良かったのだと思います。
オペラ熱が高まったその時期は、来日公演のほぼ全てに足を運び、NYを訪れた際には、全てのエネルギーをメトロポリタン歌劇場とニューヨーク・ステート・シアターに向け、1週間の滞在中、9つの舞台を鑑賞するというはまりようでした。
海外出張の際には、クライアントやインターナルのディナーは最小限に抑え、可能な限り劇場に足を向け、他にも、オペラ・ヘッドであるその友人推薦の関連書籍やCDを買い漁り、徹底的に勉強し、それが本当に楽しくて仕方ありませんでした。
今から考えると、当時はものすごい散財をしていたのかもしれませんが、触れるもの全てに感動し、オペラの勉強をすればするほど楽しくなっていっておりましたので、得たものもそれなりに大きかったのではないかと自分なりに納得、、、というより、そう言い聞かせています。
さすがに、いつまでも散財を続けると生活も危うくなるわけで、今では鑑賞する舞台(特に来日公演)を厳選してはおりますが、今年も素晴らしい舞台が目白押しで、どれも楽しみで仕方ありません。なかなか選びきれず、よーし、あれも行くぞ!これも行くぞ!
、、、、と思う力が、私の仕事に取組む原動力となっています。
皆さんの仕事への原動力は何ですか?
本日もどうぞよろしくお願い致します。