ボータ、素晴らしい歌をありがとう。
ヨハン・ボータが亡くなったという悲しいニュースが入ってきました。
間も無く開催されるウィーン国立歌劇場「ナクソス島のアリアドネ」での出演を控えていたので本当に驚いた、と同時に、数日経った今、改めて悲しさがこみ上げてきます。
最後に彼の出演した舞台を観たのは、バイエルン国立歌劇場「ローエン・グリン」での舞台。本当に素晴らしい舞台でした。彼の朗々たるテノールが頭の中を駆け巡っています。
前の記事でも書かせていただいたマルセロ・アルバレスと同じく、2011年、東北地方太平洋沖地震が起こった年、放射能への不安から、来日が予定されていた様々な海外オペラハウスの公演でキャストのキャンセルが相次ぐ中、彼もまたマルセロと同じく急遽来日し、代役を務めてくれました。
また1人、素晴らしいオペラ歌手が舞台から姿を消しました。
どんなにカーテンコールをしても二度と観客の前に姿を見せることはありません。彼の生の舞台はもう観ることができないのです。
今はただただ、ご冥福をお祈りするばかり。合掌。
May his soul rest in peace.