「"観る"バレエと"する"バレエ」(2013年6月28日 金曜日)
これまでに2度、オペラの話を書いてみましたが、僅か9年のオペラ鑑賞歴に比して、
実はバレエ鑑賞歴の方がずっと長く、観るのも、実際に踊るのも大好きです。
さて、そんなオペラ・バレエ好きの私、先週末に『ジゼル』というバレエを鑑賞しに行ってまいりました。
どのようなあらすじかと申しますと、
病弱なジゼルという村娘が、身分を隠した隣国領主の息子アルブレヒトに見初められ、恋に落ちます。
でも、なんと!実はこのアルブレヒト、ジゼルの村の領主のお嬢様の婚約者だったのです。
真実を知ったジゼルは傷心のあまり錯乱し、ついには死に至ってしまいます。
結婚を目前に亡くなった乙女たちは、ウィリという、森の精霊になるのですが、ジゼルもその仲間に迎え入れられます。
ちなみに、森の精霊ウィリといってもかわいいものではなく、通りかかる男達を踊り狂わせて、死に至らしめるという恐ろしい存在なのです。
そんなある日、ジゼルを失った傷心のアルブレヒトが、ジゼルの墓を訪れます。
ジゼルは、彼の命を奪おうとする他のウィリたちから、彼を庇い、守るために必死に立ち向かうのでした。
やがて夜明けの鐘が鳴り、ウィリ達はいなくなり、ジゼルもアルブレヒトに最後の別れを告げるかのように、静かに消えていきます。
そして舞台の上には、自分のしたことを悔いるアルブレヒトだけが、ジゼルのお墓の前に残される、、、、
と、ざっくりこんな感じです。
その日はカーテンコールが終わって場内の照明がついても、殆どの観客が席から離れず、
拍手とブラボーがぱらぱら続き、再び大きくなり、終いにはまたカーテンが開くほど、素晴らしい舞台でした。
自宅に戻ってからも感動がおさまらず、なかなか現実に戻れません。
音楽をかけて聴いているうちに身体がうずうずしてきたので、家でなんちゃってレッスンを始め、ジゼルになりきってみました。
なりきって、ふと鏡の中の自分を見ると、そこにはジゼルとはかけ離れたへなちょこな踊りっぷりの私の姿。
重力を感じさせなかった舞台上のジゼルとは違い、地球上の重力を思いっきり受けて踊っている私。
、、、、、お陰様で、あっという間に現実に戻ることが出来ました。
「観る」バレエと「する」バレエの差に毎回落込みつつ、それでもまた元気に、鑑賞に足を運ぶ私です。
本日も宜しくお願い致します。
「ブラボー!」(2013年5月31日 金曜日のコラム)
オペラで素晴らしいアリアが歌われた時などに、観客から投げられる賞賛が「ブラーヴォ / ブラボー (Bravo)」。
女性には「ブラーヴァ (Brava)」、複数の人々に対しては「ブラーヴィ (Bravi)」という声が掛けられます。
オペラ限定ではなく、クラシックのコンサートやバレエなどでもよくこの「Bravo! Brava! Bravi!」」を耳にします。
私も叫んでみたいのですが、これがなかなか言えない。
使い分けなんてとてもじゃないので、せめてスタンダードな「ブラボー」。まずはここから、と思っているのですが、スタンダードな「ブラボー」ですら言えない。
一度でも言えたら、その後は躊躇なく言えるのではないかと信じており、とにかく、いつか、いつの日にか叫んでみたいと思っています。
感動で気持ちが高揚した時などは、本当にもう口の中は喉の奥まで「ブラボー」で一杯なのに、、、、、あぁ、叫びたい!この感動を伝えたい!と思いながら、やっぱり未だにどうしてもこれが言えないのです。
こう見えても、意外と小心者なので、せっかく振り絞った勇気がいつもそのまま小さく消えていってしまいます。
うーん、一体いつになったら叫べる日が来るのでしょうか?
いつしか心のなかで「ブラボー」と小さく叫ぶことが習慣化しつつあり、TVでドキュメンタリーを見て感動しては、心の中で「ブラボー」。
スポーツクラブで汗を流して頑張った私にガッツポーズ入りで「ブラボー!」。
会社に向かうために家を出たらいいお天気、、、「やった、ブラボー!」
電車で席を譲っている人を見ると、心の中で「ブラボー!」。
今朝、すれ違った時にいい笑顔をしていた皆さん、私は心の中で叫んでいます。
「ブラボー!」
今日も素敵な笑顔で、良い1日をお過ごし下さい。
本日も宜しくお願い致します。
「仕事への原動力」(2013年5月24日 金曜日)
数年ほど前まで、海外旅行に行った際、時間と機会があればオペラの鑑賞をしていました。
下調べもせず知識もないままに鑑賞するオペラは、これほど退屈なものはなく、時差ぼけと退屈さとで毎回のように眠りこけてしまっていました。
ところが、2007年、オペラ鑑賞を趣味とする(趣味の域を超えている)友人の勧めで、1ヶ月以上しっかりみっちり勉強をして臨んだオペラ「ラ・トラヴィアータ(椿姫)」鑑賞は、今までに味わったことがないほどの感動で、指揮、オーケストラ、歌手の生み出す見えないパワーに、自然と溢れてくる涙をこらえられず、終演後だけでなく、その後何日も感動の余韻に浸ることとなりました。
そして、その後、たて続けに「ラ・ボエーム」、「トリスタンとイゾルデ」などに足を運び、そこから私の怒涛のオペラ鑑賞生活がスタートしました。
当時は、海外の有名なオペラハウスが頻繁に来日公演を行っていた時期でもあり、素晴らしいプロダクションが目白押しで、鑑賞をスタートするタイミングとしてはとても良かったのだと思います。
オペラ熱が高まったその時期は、来日公演のほぼ全てに足を運び、NYを訪れた際には、全てのエネルギーをメトロポリタン歌劇場とニューヨーク・ステート・シアターに向け、1週間の滞在中、9つの舞台を鑑賞するというはまりようでした。
海外出張の際には、クライアントやインターナルのディナーは最小限に抑え、可能な限り劇場に足を向け、他にも、オペラ・ヘッドであるその友人推薦の関連書籍やCDを買い漁り、徹底的に勉強し、それが本当に楽しくて仕方ありませんでした。
今から考えると、当時はものすごい散財をしていたのかもしれませんが、触れるもの全てに感動し、オペラの勉強をすればするほど楽しくなっていっておりましたので、得たものもそれなりに大きかったのではないかと自分なりに納得、、、というより、そう言い聞かせています。
さすがに、いつまでも散財を続けると生活も危うくなるわけで、今では鑑賞する舞台(特に来日公演)を厳選してはおりますが、今年も素晴らしい舞台が目白押しで、どれも楽しみで仕方ありません。なかなか選びきれず、よーし、あれも行くぞ!これも行くぞ!
、、、、と思う力が、私の仕事に取組む原動力となっています。
皆さんの仕事への原動力は何ですか?
本日もどうぞよろしくお願い致します。